☆ところが、富士フイルムはデジカメの新時代をも開拓するのです!
じゃん!!
▽なんでしょう? 昔のフィルムカメラ!? (c)富士フイルム
その名も、「FUJIFILM X-Pro2」。今回の商談会の、もう一つの目玉商品。
APS-Cサイズ(23.6mm×15.6mm)の大型撮像素子(イメージセンサー)、
約2,430万画素の高画質を誇る、本格的レンズ交換式デジタルカメラです。
パッと見、重厚そうなイメージですが、
交換レンズ別の本体のみの質量が約495g(付属バッテリー、メモリーカード含む) 、
外形寸法 (幅)140.5mm×(高さ)82.8mm×(奥行き)45.9mm(最薄部34.8mm)と、
思いのほか軽くて女性の手にも馴染みやすいのです。
これなら旅行にも気軽に持って行けそう ♪
(当店「しゃしんのポップ」スタッフ:仲田)
カメラ本体は、2016年3月上旬発売予定3月3日発売決定(本日発表)。
オープン価格(店頭予想価格は税別20万円前後の見込み)。
☆それは、今日からちょうど4年前に始まりました
前回の〔番外編その1〕で触れたように、富士フイルム2016年大商談会の実践セミナー
講師の方の説明では、2015年現在、東京都内のスマホ保有率はすでに69.2%に達し、
20代女性では97.8%になるということでした(大手広告代理店調べ)。
カメラ映像機器工業会(CIPA)の報告でも、スマホの普及が進んだ2010年をピークに
デジカメの出荷数量は急速に下がり出し、ダウントレンドに転じています。
ところが富士フイルムは、今日からちょうど4年前の2012年2月18日、
新しいレンズ交換式デジタルカメラ、「Xシリーズ」の初代「X-Pro1」と専用交換レンズ群
の発売を開始したのです。言うまでもなくこのような高度な製品開発にはコストがかかり、
しかもその多くを「Made in Japan」にこだわって国内自社グループ工場で生産すると
新しいレンズ交換式デジタルカメラ、「Xシリーズ」の初代「X-Pro1」と専用交換レンズ群
の発売を開始したのです。言うまでもなくこのような高度な製品開発にはコストがかかり、
しかもその多くを「Made in Japan」にこだわって国内自社グループ工場で生産すると
いうのですから、大手企業にとっても大変リスクが大きい新規事業ということになります。
これは一体、どうしたことでしょう。
実は、スマホの影響で出荷量が下がっているのはデジカメの中でもコンパクトデジカメに
限っての話なのです。レンズ交換式のデジカメや交換レンズ類は依然安定した売れ行き
をみせているのです。
例えば山登りに、嵩張るカメラを敬遠して持ち歩かない方は今まで多かったと思います。
ですがスマホなら、今や登山に欠かせないツールですから写真を撮る機会も増えます。
それで初めて山岳風景や動植物、野鳥、昆虫等ネイチャーフォトの魅力に目覚め、写真
の才能が開花する方も実際いらっしゃるのです。今のスマホカメラは十分高画質ですが、
交換レンズを駆使した変化に富んだ写真は撮れません。背景を大きくぼかしたムードの
あるポートレートもまた、スマホでは撮りにくいのです。そこで、「Xシリーズ」の出番です。
☆カメラとレンズと色再現性にかけた富士フイルムの情熱
富士フイルムは1970年にレンズ交換式フィルム一眼レフ、FUJICA「STシリーズ」など
を、1980年には同じく「AXシリーズ」などを手がけ、「EBC FUJINON」交換レンズ群も、
その優れた色再現性や繊細な描写力が、プロ写真家の間でも高く評価されていました。
残念ながらその後は、ピント合わせの自動化技術に関して米国企業の特許に阻まれ、
同社のレンズ交換式カメラは長らくスタジオ向けの業務用製品が中心になっていました。
私にもデジカメ普及以前に業務用の「EBC FUJINON」レンズ群を愛用した時期があり、
今度の「Xシリーズ」は待ちに待った復活劇だったのです。しかもこんなにもコンパクトに
なって戻ってきました! 富士フイルムの底力を見せられた思いです。
当店「しゃしんのポップ」にも、「Xシリーズ」をご愛用のお客さまがいらっしゃいます。
長年、大きなフィルム一眼レフカメラでSLや富士山などを撮り続けてこられたのですが、
意を決して初めて「Xシリーズ」でデジタルカメラに転向(?)されました。
素晴らしい色再現と描写力にたいへんご満足いただき、遊び盛りのお孫さんのスナップ
も雄大にそびえる富士山も、「Xシリーズ」1セットで間に合うと、とても喜ばれています。
富士フイルムがこだわるデジタルカメラの色再現性とは、どのようなものなのでしょう。
公共放送に使うカメラや監視カメラ、報道、カタログ、学術用の写真撮影に使うカメラは、
もちろん現物に忠実な色再現性を求められます。ソニー、ニコン、キヤノンなどは長年、
その点でもプロの厳しい要求に応えられる製品を供給してきました。
しかし問題もあります。ごく鮮やかな色の被写体を撮影したとき、鮮やかさを忠実に再現
するとグラデーションが消え、グラデーションを残すと鮮やかさが損なわれるような場合
もときにあります。この場合どう再現されるべきでしょうか。カラフルなボールは、やはり
カラフルなボールに見せたいものです。ボールが円板に見えては困りますよね。ここは、
グラデーションの優先を求めるのがプロのセオリーです。モニター上でグラデーションが
確認できてもプリント上では再現できない場合もあるので、そこも注意が必要です(機種
にもよりますがデジタルカメラとプリンターとの組み合わせによってはその逆もあります)。
しかし、それが難しい。
プロフォトグラファーがときに、写真データの色補正にパソコンソフトで非常に多くの編集
時間を割くのは、そのような難題を克服するためであることも少なくないのです。
【重要事項=色空間の設定について】
商業印刷や一部のインクジェットプリンターによるプリントではAdobe RGBが用いられる
場合もありますが、当店のプリントシステムである銀塩写真方式のプリンターは標準的な
sRGBが大前提です。プリント媒体の色素の都合上Adobe RGBの画像データには対応
していませんので、お間違いのないようくれぐれもご注意願います。
富士フイルムは、半世紀以上にもわたって写真用カラーフィルムや写真プリントシステム
を開発してきた、カラープリントのエキスパートです。「Xシリーズ」も、写真プリント表現に
特化したデジタルカメラシステムです。あらゆる条件で、プリントしたとき被写体の立体感
や透明感、青空などの再現が難しいグラデーションなども損なわれないよう、十分計算し
尽くしたカメラシステムです。誤解をおそれず書けば、単に忠実な色再現ではないのです。
そう、絵心にも似た
“プリントならではの写真表現のための色再現性”
と言って良いでしょう。
☆「FUJIFILM X-Pro2」の主な特長
簡単にご紹介します。詳細は、下記リンク先をご参照ください。
▽世界唯一、本系列製品だけの「アドバンストハイブリッドマルチビューファインダー」
液晶モニターを用いた電子ビューファインダー(EVF)と見やすい光学ファインダー
(OVF)とを切り替えできる、「アドバンストハイブリッドマルチビューファインダー」が
採用されています。もちろん、背面モニターでライブビュー撮影もできます。
(c)富士フイルム
▽「X-Pro2」のコントロールは文字盤(ダイヤル)で
液晶モニターに頼らない、アナログ感覚の文字盤(ダイヤル)を採用。電源OFFでも
シャッターチャンスに備え、カメラのコントロールや各種設定の確認などができます。
スマホのカメラとはまったく違った、カメラを自分の手で操る醍醐味が実感できます。
外観はクラシカルでも「X-Pro2」は、スマホやタブレットとの連携機能も強化した、
最先端を行くデジタルカメラに仕上がっています。フルHD動画撮影も可能です。
△スマホやタブレットが「X-Pro2」のリモコンに (c)富士フイルム
無料のアプリケーション「FUJIFILM Camera Remote」により、
スマホやタブレットで構図を見ながらのリモート撮影も可能になります。
また、最大2GBまで写真を選んでスマホやタブレットに送信もできます。
撮影した画素数(約2,430万画素)のままでもOK!
「撮影時3M圧縮」(約300万画素)もできます。
△スマートフォン送信機能で写真をネット配信 (c)富士フイルム
無料のアプリケーション「FUJIFILM Camera Remote」でスマホに写真を送信
すれば、撮影時の感動を即座にメールやSNSで共有できます。
そしてお店でプリント注文(^_^)v
△スマートフォンから位置情報を取得 (c)富士フイルム
無料のアプリケーション「FUJIFILM Camera Remote」の見逃せない機能。
スマホから位置情報を取得し「X-Pro2」で撮影した写真データに付加できます。
(「X-Pro2」本体にGPS機能は未搭載です。)
△「FUJIFILM Xシリーズ」製品群 (c)富士フイルム
「FUJIFILM Xシリーズ」のレンズ交換式デジタルカメラには、「X-Pro2」以外にも
光学ファインダーを省いてよりコンパクト化した機種もあります。
「FUJIFILM Xシリーズ」の公式サイトはこちらをクリック。
追伸)
個人的には「PENTAX」の色再現性も好みです。
あと、スマホではやっぱりAppleの「iPhone」でしょうか(^^)