2017年08月14日

30年前のフジカラー、50年前のフジカラーは? 「(フジカラーのお店プリントは)お店に手ぶらで」暫定宣言!(の、予告篇2)

【前回まで】

以降の関連記事は、
当ブログの2017年8月7日付記事の一部を再編集し掲載しています。



幸い、ケータイ内蔵カメラの画質も次第に向上して、大容量の安価なメモリーカード
も普及したことから、2010年頃にはだいぶ状況も変わってきました。写真屋さんの
プリント需要のうち、フィルムのお客さまより、デジカメやケータイのお客さまの割合
の方が大きくなり始めたのです。当店の前身になる山口写真館さん支店のPOP店
でも、店頭プリント受付機を3台に増設していただきました。ただ、デジタル化時代へ
向けて設備投資を無理に急ぎ過ぎたり、逆に見送った写真屋さんの中には、経営難
から撤退されたお店さんも少なくありませんでした(その影響は今も続いています)。

2004年から放映されてきた富士フイルムさんの人気TVCM、「長瀬店長シリーズ」
はその成果を見届けるように2010年前半に完結しました。同時に当店はスタートし、
多くのお客さまにとって今いちばん身近なカメラ、スマホの時代を迎え入れるのです。

▽フジカラーTVCM 長瀬店長シリーズ 「大きなケータイ」篇より(2007年放映)
 長瀬智也さん演じる店長さん、堀北真希さん演じる店員さん、そして長年にわたり
 親しまれてきた、樹木希林さん演じる綾小路さん(長年常連のお客さまという設定)。
 この3人がときにはお店を離れ公私共々繰り広げるドラマが人気のシリーズでした。
 このTVCMが放映された2007年のこと。米国のアップル社さんから今日のスマホ
 の元祖、「iPhone(初代)」が米国内で発売され、翌年は日本でも「iPhone 3G」
 が発売されました(2016年1月30日付記事参照)。
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 (c)富士フイルム

そして2014年4月以降、多くのスマホやタブレットに「わいぷり(Wi-Fiプリント注文
ソフトの略)」こと「FUJIFILMおみせプリント」アプリが対応。店頭プリント受付機に
スマホ等から無線で写真プリントサービスをご注文していただけるようになりました。
その頃当店「アルバムの森 しゃしんのポップ」も駐車場付の現在地へ移転しました。

「長瀬店長シリーズ」TVCM放映開始の2004年4月から、多くのスマホやタブレット
に「わいぷり(Wi-Fiプリント注文ソフトの略)」こと「FUJIFILMおみせプリント」アプリ
が対応した2014年4月まで、その間10年です。「十年一昔」と言われますが、この
10年間は多くの写真屋さんにとって、体力を激しく消耗した10年だったと思います。
とすれば、それはあまりにも「永すぎた10年」だったのかもしれません(春? 冬?)。



上記の関連記事は、
当ブログの2017年8月7日付記事の一部を再編集し掲載しています。

【ここからが今回】

フィルムやカメラなど撮影用品の会社、アルバムやフレームなど写真用品の会社、
それらと店頭用写真プリントシステムの会社とは、本来業種の異なった会社です。
富士フイルムさんのすごいところは、そのすべてを同時に手掛け、取扱店を地道に
開拓してきたことです。このような会社は今日、世界中どこにも類を見ません。元々
カラーフィルムを開発、生産できる会社自体が少なかったので無理もないでしょう。

▽「スマホから簡単プリント!」の広告(左はポスター、右はPOP)
 今から4年前の2013年夏、富士フイルムさんから「わいぷり(Wi-Fiプリント注文
 ソフトの略)」こと「おみせプリント for Android」アプリ(左)がリリースされ、翌年
 の2014年春には「iPhone」用の「おみせプリント for iOS」アプリも加わり(右)
 ました。今からちょうど10年前、2007年の「iPhone(初代)」の米国内発売から
 7年が経っていました。「十年一昔」と言われますが、スマホ写真プリントの歴史
 はまだ、始まったばかりなのです。
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 (c)富士フイルム

誰もがスマホを持ち歩き、いつでも高画質のお写真を撮れるのが、今では当たり前
のように感じられます。ですが、そのような時代が本格的に訪れてから、ふり返って
みるとまだ10年も経っていないということに気付かされます。

それよりもっと前、デジカメやカメラ付きケータイが普及するよりもずっと以前のこと。
まずフィルムが流通しなければ、写真プリントの需要も生まれなかった時代のお話し
をしたいと思います。

カラーフィルムは最初、写真屋さんの店内では現像ができず、専門の現像所を全国
に設け集配体制を整えなければ、大量に販売することなどできませんでした。家庭で
手軽にカラー写真を楽しめるよう、フィルムメーカー3社は多額の投資をしたのです。
現在の富士フイルム、米国イーストマン・コダック、コニカミノルタ(撤退済)の3社さん
です。中でも富士フイルムさんは新興勢力でしたから、宣伝やキャンペーンも活発に
展開して、老舗の2社さんを追い上げていきました。そうした各種キャンペーンの窓口
として中心的な役割を果たしたのが、言うまでもなく全国各地にある街の写真屋さん
(「カメラ屋さん」、「写真材料販売店」とも呼ばれていました)です。

富士フイルムさんが、カラーフィルムの大量生産に合わせて展開したキャンペーンの
一つを、ここにご紹介します。
富士フイルムさんの公式サイトにも説明が載っていますので、その一部を抜粋して、
以下に引用させていただきます(こちらをご覧ください)。
 富士フイルムさんの公式サイト内、
 「富士フイルムのあゆみ カラー市場創出のキャンペーン」より一部を抜粋(こちら

ファミリーフォトキャンペーンの展開

〔前略〕
当社は、カラーフィルムの新製品開発を進める一方で、需要拡大のための広告宣伝活動やキャンペーンを積極的に展開した。1968年(昭和43年)1月、写真需要掘り起こしの第一のターゲットとして、女性、特に主婦層に的を絞り「ママの記録は世界一」、「ママ、写して」を合言葉に「ファミリーフォトキャンペーン」をスタートさせた。
女性がもっと気軽にカメラを手にするようになれば、フィルムの需要を大幅に伸ばすことができる。加えて、写真の被写体は子供が最も多いが、母親の目でとらえれば、子供の成長の記録は、より豊富に、より充実したものになり、そのアルバムは親が子に残す貴い財産となる。
こうした考えのもとに、キャンペーンは、まず、若いママにシャッターを押してもらうことに焦点を置いて、
〔中略〕
当社の呼びかけに呼応して、専門店としての店づくりと顧客の拡大に意欲的な写真材料販売店も、それぞれ工夫をこらして独自の活動を行なった。折しも、カメラのEE化が進みフィルムの品質も向上し、写真が写しやすくなってきたこともあり、このファミリーフォトキャンペーンは女性層に対して写真の普及を図るのに大きな成果を収めることができた。
〔後略〕
これが今からおよそ50年前、半世紀ほど昔に展開されたキャンペーンの概要です。
「母親の目でとらえれば、子供の成長の記録は、より豊富に、より充実したものに」
というのは今も昔も変わらない普遍的なことで、スマホがすぐ手元にあるような現在
ならなおさらのことです。ですが、当時はまだまだ、カメラもカラーフィルムも高級品、
贅沢品というイメージが強く残っていました。その頃、カメラやフィルムを写真屋さん
でお求めになるお客さまの層はお母さまよりお父さまの方が中心で、写真屋さんの
店内はカメラ愛好家の紳士の皆さまの社交場(写交場?)でもあったのです。奥様
には内緒のお買い物を、店主さんや店員さんが固く口止めされることもありました。
(え? 今でもよくありますか(^^; それは 「写プライズ!」。)

少し皮肉な話しになるかもしれませんが、お子さまを写真に撮ることが若いお母さま
にとっても身近になるのはそれから10年後、日頃のお買い物によく利用される大型
スーパー内でカメラやフィルム、現像の取扱いが増えてからではないかと思います。
そのことは、テナントの写真店チェーンさんが隆盛を極める足がかりにもなりました。

▽初代「フジカラー写ルンです」
 富士フイルムさんの公式サイト内、「写ルンです Life」はこちら
 同、「あなたはいくつ覚えてる? 写ルンです30年ヒストリー」はこちら
1986_p01.jpg
 (c)富士フイルム

その後カラーフィルムの需要をさらに拡げることになる画期的な製品が登場しました。
1986年の発売で去年30周年を迎えたレンズ付きフィルム「フジカラー写ルンです」
です。老舗のライバル2社さんもこれに追随しましたが、「フジカラー写ルンです」の
人気は絶大でした。ネーミングの良さもあると思いますが、写真屋さんの立場からは、
今だから言える本当の話しもあります。店内で現像するとき、中のフィルムが非常に
取り出しやすいのです。特許の制約でしょうか、他社さんの類似品は取り出すときに
少々手間がかかり、量が多いと指が痛くなってくるときもありました。学校さんや団体
さんのお客さまのまとめ買いには、もちろん写りのきれいさもありますが、後日ご注文
いただける大量かつ大至急の現像作業を考えると、「フジカラー写ルンです」をお薦め
したいのが本音でした(当店では2013年春に店内現像を終了したため過去形です)。
 ↑何だか身も蓋もないようなお話しで(^^;ゞ(「写ルンです」なだけに致し方なし?)。

富士フイルムさんは、そのような事情にまで細やかに配慮できる社風であるからこそ、
スマホ時代の今日まで、総合写真関連メーカーとして、存続できている会社さんなの
です。次世代店頭プリント受付機「WPS(ワンダープリントステーション)」も、開発に
時間はかかりましたが、ピンチやスワイプなどスマホ同様の快適操作はお客さまにも
好評で、富士フイルムさんだからこそ実現できた豊かな発想の製品だと思っています。

▽他店さんではほぼ見られない(?)、新、旧、店頭プリント受付機の顔合わせ。
 左側が初代店頭受付機の最終バージョン。右側が今導入を進めている「WPS」で、
 ピンチやスワイプなどスマホ感覚の快適操作と、23inのワイドディスプレイが自慢。
 この10数年間でどれだけテクノロジーが進歩したか比べてお楽しみいただけます。
 なお、左側の初代店頭受付機はスマホ未対応です(マイクロSDカードには対応)。
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さて、今なおフィルムカメラを大切に使い続けてくださっているお客さまも、もちろん、
世の中にはたくさんいらっしゃいます。「趣味として」ではなく、「実用品として」です。

街の写真屋さんの経営者さんの多くも、そのようなお客さまとの関係を大事にし続け
ていれば、「フィルムカメラが衰退することはありえない」と、信じていらっしゃったこと
と思います。2010年より前の当店「アルバムの森 しゃしんのポップ」のスタート準備
段階では、写真店業界全体にそうした考え方が色濃く残っていたのを覚えています。
事実、その頃まではまだ、各社から写真フィルムやフィルムカメラの新製品が、細々
とではあっても発売されていたのですから。

でも、その頃私はすでに気付いていました。
フィルム現像をご注文に来られるお客さま方も同じです。特にご旅行がお好きな方。

コンビニ、スーパー、駅売店、行楽地の土産物店、海の家、ドライブイン、宿泊施設、
21世紀に入ってもしばらくは、あれほど全国どこでも売られていたカラーフィルムや
「写ルンです」等レンズ付きフィルム、フィルムカメラ用“各種”リチウム電池。それら
が僅か数年の間に次々店頭から姿を消していったのです。ご旅行先で買い足そうと
考えていらっしゃったお客さまは慌てて現地の写真屋さんを探すのですが、訪ねた
お店は専業の写真館に変わっていたり廃業されていたり。大型店のある市街地まで
は遠いので、結局諦めてしまわれたと、当店へご来店された際に嘆かれるのです。

フィルムカメラのビジネスモデルは、様々な業種のお店さんや流通業者さんからの
参加、協力があってはじめて成り立っていたのだという現実を、改めて思い知らされ
たのです。写真屋さんだけが頑張って支えてきたわけではなかった、ということです。

先にお話ししたようなお客さまへは、
「お出かけの前に、ぜひ写真専門店の当店で必要なお買い物をお済ませください」
そう(マニュアルを読み上げるかのように)お声かけするのですが、
「周りの人たちはみんなデジカメで、私もデジカメに替えた方が良いでしょうか?」
とたずねられても、私はほかの写真屋さんの経営者さんのように、
「いやいや、フィルムが最高ですよ。やっぱり写真はフィルムでなくちゃ」
などと引き止めることはできなかったのです(富士フイルムさん、ごめんなさいorz)。
身も蓋もないようですが、
「当店も今はデジカメプリントのお客さまの方が多くて受付機も最近増やしたんです」
実物をご覧いただきながら、そう正直に説明することしかできなかったのです。

そのお客さまがこれからもずっと、自分のお店のお客さまでい続けてくださるために、
もしみなさまが写真屋さんの経営者だったとしたら、どちらの選択をなさいますか? 
多分正解は無いのでしょうね。何が本当の商いかは永遠の課題のように思えます。
(学校は教えてくれません。時間内で百点取れる元々答えが決まった試験ばかり。)
 ↑また身も蓋もないことを。全問正解でも出題者の能力を超えた証にならないです。

現実には、レンズ付きフィルムや玩具カメラなどを別にすれば、フィルムカメラはもう、
ほとんどどのメーカーさんが生産を終了しています(修理部品の生産は除く)。新品
が必要な場合は、流通在庫を探していただくようになります。

愛着あるフィルムカメラが手放せない。デジカメを贈られたのにどうにも馴染めない。
そのようなお客さまでも、スマホやケータイをお持ちなら、フィルムが買えないときは
それらでお写真を撮るほかありません(同時にお身内からネットで受信するお写真も
次第にたまっていきます)。近年はコンビニも、常にフィルムやカメラ用電池が買える
お店は少なくなりましたが、スマホ用乾電池式充電器やマイクロSDカードなら、普通
にお出かけ先で買える時代です。否応なくスマホやケータイが最も身近なカメラです。

そして今、「Google フォト」をお使いのお客さまも、増えているようです。

【次回予告】

以降の関連記事は、
当ブログの2017年8月1日付記事の一部を再編集し掲載しています。



  最新作! お正月を写そう♪ 2017 「ましかくん登場」篇
  (2017年8月1日付記事の一部を再編集して掲載)

広瀬すずさんと樹木希林さんとの共演が楽しい、長瀬店長シリーズの流れを継いだ、
今年のお正月に放映されたTVCMの最新作です。
スマホ限定の「ましかくプリント 5枚無料キャンペーン」と連動していました。

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 広瀬店長 「だから写真もましかくプリント。スマホをお店に持ってくるだけ!」

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 (c)富士フイルム

 広瀬店長 「っていうか綾小路さん? 何で?」
 綾小路さん扮するましかくん 「何でもやるんです、ずっと前から」

さて、この最新作のTVCMで、
広瀬店長が「(フジカラーのお店プリントは)スマホをお店に持ってくるだけ!」
とお客さまへ説明していますが、
当店「アルバムの森 しゃしんのポップ」の私、吉川店長は、近々、
「お店に手ぶらで」暫定宣言をすることになるでしょう。

って、前回も、前々回もお話ししましたね(^^;ゞ

詳しくは、また後日の記事で。さらにもう少し、期待してお待ちください<(_ _)>

posted by 安瑠芭夢ハウス しゃしんのポップ at 15:22| フォトライフ