2017年10月17日

「カメラのキタムラ」さんの再建に着手! 「リヴァンプ」さんの経営支援に高まる期待〔後編〕

2017年9月30日付記事を再編集し、〔前編〕、〔後編〕に分けました。
また、〔後編〕の最後の方に、

  「カメラのキタムラ」さん創業の地、高知市は城下町にして港町
  埼玉県の川越市はどうでしょう?

という記事も加筆しました。



ここから〔後編〕です。

  大手書店・レンタル店チェーン「TSUTAYA」さんの運営会社、
  「カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)」さんとのつながり

「リヴァンプ」さんは公式サイトで「企業理念」を紹介されています(こちら)。
そこに「徹底的な現場介入により〔中略〕経営改革を実行する」との見出しがあります。
「一緒に業務に携わらせて頂き〔中略〕改革改善を実行します」というのです。

「リヴァンプ」さんが「カメラのキタムラ」さんを再建するに至る具体的な経緯を私は、
次の記事で知りました。
キタムラ代表取締役名誉会長、北村正志さんの寄稿記事です。
その中から、本ブログ記事との関連部分のみ、抜粋してご紹介します。
『企業家倶楽部 2017年10月号』 私のターニングポイント(2017年9月4日付)
CCC増田社長の天才的な企画力に期待/キタムラ代表取締役名誉会長 北村正志

 2017年2月14日、76歳にして、キタムラ上場後、初の業績赤字の発表をしました。当社は3月決算ですから、5月15日に赤字決算の発表とともに、カルチュア・コンビニエンス・クラブ(以下CCC)に、約30%の株を売却することを発表しました。
 〔中略〕
 今回の落ち込みを打開するには、私のがんばりと、写真屋人生40年、50年の経験と知恵だけでは困難。もっと視点を広げなければと考えました。そこでCCCの増田宗昭さんにお願いしました。
 〔中略〕
 筆頭株主だった私の株を8割近く売却しましたので、今は当社の筆頭株主は約30%の株を持つ増田さんです。30%というと実質オーナーです。
 〔中略〕
 とはいっても増田さんが当社の経営に直接携わるわけではなく、実際には増田さんが派遣したリヴァンプの湯浅智之社長と斎藤武一郎取締役が、当社再建のため頑張っています。斎藤さんは当社に常駐してくれています。
 〔中略〕
 カメラ産業が変換し、デジタルカメラ時代になって17年。よくぞここまで生き延びてきた。これからは増田さんの企画力、写真プラス増田さんの香りに期待したいと思っています。

「2017年2月14日、76歳にして、
キタムラ上場後、初の業績赤字の発表をしました。」
「今回の落ち込みを打開するには、私のがんばりと、
写真屋人生40年、50年の経験と知恵だけでは困難。」
「デジタルカメラ時代になって17年。よくぞここまで生き延びてきた。」

心からの“魂の叫び”に違いありません。
北村正志さん、ほんとうに、どうもおつかれさまでした。
日本最大の、世界でも例を見ないカメラ販売チェーン店を築かれた功績は、
とても大きいと思います。

上記記事中で、北村正志さんから
「増田さんの香りに期待したいと思っています」と紹介されている増田宗昭さんは、
「カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)」さんの代表取締役社長兼CEOで、
同社の主要な関連事業の1つである大手書店・レンタル店チェーン、
「TSUTAYA」さんの創業者としても著名な方です。
「リヴァンプ」さんによって「カメラのキタムラ」さんの再建が進められるのは、
その方の力添えがあってのことだったのですね。

  「リヴァンプ」さんや
  「カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)」さんに
  託された可能性は?

ところで、出版物の流通は取次店を通じての全品委託販売が大前提です。
著作物再販制度により、法的に全国どこでも定価販売で価格競争はありえません。
委託品ですから、必然的に返品も生じます。
新刊配本を仕切っているのは主に、「トーハン」さん、「日販」さんなどの取次店です。
私も20代の頃、都内の出版社の編集部へ異動になる前、営業部員だったときはよく、
新刊見本を抱えて取次店さん回りをしました。
いろいろと営業窓口の人には叱られましたね。
出版社と取次店さんから同じ書店さんへの営業(販売促進)が被ると、
当然ですが新刊の店頭在庫も被り、大量の返品が生じがちです。
書店さんも売り逃しはしたくないですから、前評判の高い近刊は、
取次店さんからの通常の新刊配本分だけでは在庫が不足することをおそれて、
つい出版社の方へも多めに予約の見込み注文をしてしまうこともあるわけです。
新刊は、理想的な配本(適正配本)の調整が難しいのです。

当店臨時スタッフの仲田は、
実は某書店チェーンの売り場での勤務経験があります。
なので、この種の在庫管理業務のハードさは相当熟知しています。
本って紙ですけど、束になるとめちゃくちゃ重いんですよ。
(「フジカラーペーパー」も、です。最高品質の写真用紙なので、特別重いです。)

書店さんの新刊コーナーには、平日なら毎日数々の新刊が加わります。
雑誌も毎週、毎月、発行されますから、通勤、通学、買い物の途中など、
毎日のように本との出会いを求めて、
書店さんへ立ち寄ることを楽しみにしているお客さまも多いことと思います。
通販では味わえない楽しみですよね。

先述の「ロッテリア」さんのようにカジュアルな飲食店のお客さまも、
お腹が空かない人はいないはずですから、毎日ではなくても、
ひと月に何回もご来店になるというのは、ごく普通のことと思います。

写真屋さんの場合はどうでしょう。ご利用目的にもよると思いますが、
常連のお客さまといっても、1年分撮り溜めてから、ご都合を調整して
お写真のプリントをご注文に来られるお客さまも少なくはありません。
卒業旅行やご婚礼など、特別な思い出になる場合に限って、お写真の
プリントをご注文に来られるお客さまも、当然のようにいらっしゃいます。
そのため、「リヴァンプ」さんが現場からの経営改革に取り組まれても、
その成果が本当にすべてのお客さまの間に反映され、浸透するまで、
何年も何年も時間がかかっても、少しも不思議なことではありません。
外食産業で例えるなら、食材となる農作物や家畜、水産物などの品種
改良や農地・農法・栽培方法・飼育方法・資源管理方法等の改良から
取り組むかのような、大変な根気と忍耐とを要する事業になるでしょう。
それ相当の覚悟が必要なことです。
即効性が期待できる経営改革など、はじめからあり得ないのです。
「富士フイルム」さんもそうしたことを、ずっと続けてこられた会社さんです。
(当ブログ2017年8月14日付同年8月1日付の各記事参照)

これは私見なのですが、お写真好きのご家族の皆さまのアルバム作りが
子から孫へと受け継がれ、そのご家族の子孫が繁栄して行くことを願って
サービス体制を整え、維持し続けることこそが写真屋さんの務めなのだと、
私は考えます。
どれほど少子化が進んでも、お写真のアルバム作りを大切にするご家族
が少しでも増えて行くよう、お手伝いできるのならそれで良いと思うのです。

写真屋さんは、どちらかというと受注産業で、待ちの姿勢、受身の姿勢に
なりがちに見られますが、かといって需要があるから出店するというわけ
ではありません。むしろ出店することでその地域社会に写真のプリントや
アルバム作りの需要を生み出し、育むことが役目です。幸せな街づくり
を象徴するようなランドマーク、は無理でも、ランドマーク的な存在になる
べきなのです。

ここで、皆さまにちょっと質問をさせていただこうと思います。
ある街に、年間の“のべ”利用者数が同人数の飲食店さんと(ここでは仮に
定食屋さんか居酒屋さんとします)、プリント専門の写真屋さんがあったと
します。実際の顧客数は、どちらの方が多いと考えるのが自然でしょう?
皆さまが利用する側の立場で通う頻度を想像すれば、もうお分かりですね。
そうです。プリント専門の写真屋さんの方です(飲食店さんを社員食堂さん
に置き換えて考えると、なお分かりやすいと思います)。
さらに、お写真のプリントをご注文に来られるお客さまは、必ずしもご自身
の為だけご注文になるとは限りませんね。家族旅行のお写真なら、その方
のご家族皆さまが、写真屋さんの潜在的なお客さまだと考えたいのです。
これが飲食店だと、ご家族でお食事に来られるか出前を頼むか、お持ち帰
りを利用するかしない限り、ご家族全員がお客さま、ということにはならない
ですよね。
グループ旅行のお写真も、同行の皆さまにプリントをお配りになるのなら、
その方々もその写真屋さんの潜在的なお客さまだと思います。
また、展覧会やギャラリーなどの展示作品としてのお写真なら、鑑賞される
方や所望される方もすべて、その写真屋さんの潜在的なお客さまだと思い
ます。見る人があってこその、お写真なのですから。
先述の、キタムラ代表取締役名誉会長、北村正志さんの寄稿記事中に、
「デジタルカメラ時代になって17年。よくぞここまで生き延びてきた。」との
お話しがあります。それだけ、多くの潜在的なお客さまに支えられてきたと
いうことだと思います。
写真屋さんの場合、ご新規のお客さまの開拓は、外食産業などに比べると
決して容易ではありません。その上、一度お客さまになってくださった方の
ご期待には、細く長くお応えして行くことが求められます。それができている
写真屋さんが「生き延びてきた」のですし、生き延びて行くのだと思います。
「リヴァンプ」さんにも「カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)」さんにも、
「カメラのキタムラ」さんのこれまでの実績を、正当に評価していただけると
良いのですが。そしてその強み、店頭ではすぐには気付かれにくい潜在的
なお客さまの多さを、経営改革に生かしていただけますよう願っています。

  「カメラのキタムラ」さん創業の地、高知市は城下町にして港町
  埼玉県の川越市はどうでしょう?

「カメラのキタムラ」さんの歴史は、1934年(昭和9年)に高知県高知市で
創業された「キタムラ写真機店」に始まるそうです(「Wikipedia」より)。
高知市は、総人口332,387人(2017年10月1日現在)の県庁所在地で、
城下町、港町として有名な観光地でもあります。

近世から続く城下町、港町、陣屋町、宿場町、市場町、それ以前の古都と
呼ばれる町などは大小にかかわらずどの町も、店頭でプリントサービスを
している写真屋さんの軒数が地元店さん、チェーン店さんとも商圏人口に
対して多いように見受けられます。

高知市内の写真プリント店は、「カメラのキタムラ」さんの店舗6軒に加え、
他のお店さんも合せ10軒程のお店さんが確認できます。一方埼玉県は、
当店「しゃしんのポップ本店」所在地と同じ入間地区の川越市が、高知市
とほぼ同じ人口規模です。「カメラのキタムラ」さんの店舗は1軒ですが、
他の地元店さんやチェーン店さんも合せ8軒程お店さんが確認できます。

2軒の差は、県庁の有無の差でしょうか?
路面電車の有無の差でしょうか(昔、川越でも似たような電車が廃業)?
同じ城下町でも、天守閣の有無の差はやはり大きいのでしょうか?
あるいは港、の話しは埼玉では無し(お舟は新河岸川を通っていました)。
誤差の範囲と、受けとめましょう。
東京の衛星都市では、川越はどのお店さんも健闘されていると思います。

商圏人口が多ければ出店に有利だと、一般に考えられていると思います。
新興の超高層マンションや、1960〜80年前後に都市近郊に造成された
マンモス団地などの近くはどうでしょう。いわゆるニュータウンの例ですが、
人口が増えたことで新たな経済圏が醸成されるケースと、人口が一度に
増えたことが裏目に出て高齢化も一度に深刻になるケースとに分かれるよう
です。傾向がつかみにくいですね。

近年は田園地帯のバイパス沿いに忽然と巨大ショッピングモールが現れ
ることもあり、写真店チェーンさんの新規出店もそのような商業施設への
出店に絞られてきているようですが、商圏人口が漠然としていて、分かり
にくいですね。施設の中は丸ごと都会で賑やかなのに、外へ出ると一面
のどかな田園風景で、民家もまばらなのですから。

プリントサービスをしている写真屋さんは、潜在的なお客さまにも支えて
いただけるよう、ご期待にお応えして行くことが求められると先の記事で
もお話ししました。それがどのような層のお客さまなのかは、ご注文いた
だくお写真のプリントに反映されるはずですが、お客さまのプライバシー
を順守してこそ写真屋さんの信頼は築かれます。マーケットリサーチに
お客さまからのお写真プリントのご注文内容をサンプルに用いることは、
とても考えられません。

ただ、明らかにご注文内容が記念集合写真やグループ行事のスナップ
写真であれば、プリントを分けるためのビニールの小袋をどれだけ差し
上げるか、お客さまに必要枚数をおたずねすることはあるかと思います。
小袋の消費傾向がマーケットリサーチの参考にされることはあるでしょう。

当店「しゃしんのポップ本店」は、まったくの個人経営の写真屋さんです。
私は、学生時代から旅が好きでしたから、同じように旅行やお出かけが
好きな打ち解けたお客さまから、お写真プリントを店頭受付機でご注文
いただきながら旅の思い出やお土産話を聞かせていただくのを、いつも
楽しみにしています。なので、そのようなお客さまがいらっしゃるご家族
が当店の商圏内に増えてくだされば、何よりの喜びと、励みになります。

  そして、

写真屋さんは今、成長より存続が求められています。
軒数が減ったらそれまでです。
「富士フイルム」さんのプリントサービス事業も存続できなくなくなります。
(「フジカラー」 を残そう♪)
公共インフラと同じように考えた方が良いです。
実際、今やネット端末が写真屋稼業の要ですし(上の挿入写真を参照)。
出店するなら、地価やテナント料の安いところで十分です。
中古物件でも居抜きでも路地裏でも街外れでもかまいません。
写真屋さんとはそもそも、そういうものだと、
普通に思っていただけるようになればしめたものではないですか。
接骨院さんや駄菓子屋さんのご近所とか、理想ですね。
(でも風水には気にされるお客さまもいらっしゃるので気を配りましょう。)
なお当店「しゃしんのポップ 本店」は、
和菓子屋さんの居抜きの居抜きの居抜きの〜居抜きです。
大手写真チェーン店さんも、この際プライドは捨てましょうよ。
フィルムカメラやフィルム現像の全盛期と同じ考え方ではいけないのです。
フィルムの時代と違って、公共工事記録写真の大口現像受注もありません。
御社さんはすでに大量販売の安売り店さんではないのです(本当ですよ)。
カメラも山積みのカラーフィルムのお徳用パックも、もう、忘れてくださいな。
スケールメリットは活かせません。今や個人商店でも、仕入れオーダーは
ネットで直接、メーカーさんや問屋さんへ発注できる本部不要の時代です。
急行や快速が停まる駅の前とか、幹線道路沿いとか、ショッピングセンター
内とか、それこそカジュアルな飲食店さんや書店さんへ譲りましょう。その方
がより多くのお客さまがその地域に集まりますし、人口流出も防げますから
写真屋さんのビジネスも有利になりますよ。そして、多くのお客さまに喜んで
いただきましょう。

「リヴァンプ」さんにとっても
「カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)」さんにとっても、
「カメラのキタムラ」さんの再建は相当の試練になると思われますが、
この変化の激しい時代に、数年先の成果に向けて、期待が高まりますね。

「カメラのキタムラ」さんと「カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)」さんとの
今回の資本業務提携については、次のニュースリリースの抜粋をご参照ください。

『カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社 広報』(2017年5月15日付)
フォトライフの提案力強化に向けた
株式会社キタムラとの資本業務提携に関するお知らせ

 〔前略〕
 カルチュア・コンビニエンス・クラブ(以下CCC)ではこれまでも写真を楽しむ生活(フォトライフ)の提案をして参りましたが、写真の楽しみ方の変化を受け、更にこの分野を成長させるべく、本提携によって総合的なフォトライフ提案を強化いたします。キタムラの店舗ネットワークと会員基盤、専門知識を持つ人材やノウハウと、CCCのライフスタイル提案力や店舗企画力、マーケティング力を融合し、より一層顧客価値の高い商品・サービスの開発を進めてまいります。

■業務提携の内容
(1) キタムラ既存イメージングビジネスの収益性向上及び両社のイメージングビジネスの付加価値化
(2) キタムラの店舗網の再構築及び新業態開発
(3) 両社のデータベースを活用したオムニチャネル戦略の加速
(4) 新商品・サービス・新ビジネスモデルの確立
(5) モバイル関連の独自商品・サービスの共同開発
(6) キタムラの業務改善とコスト効率化
posted by 安瑠芭夢ハウス しゃしんのポップ at 03:25| 業界の話題