2018年08月02日

充電できない!? デジタルカメラの深刻な悩みを解決する総務省の「長距離無線充電」制度化に期待!

*この記事は、2018年7月29日付記事の続きです。

  合言葉は“Qi(チー)”
  市販の充電器に置くだけでOK?
  専用ケーブルで接続しなくても充電できる
  防水デジタルカメラ「PENTAX WG-3 GPS」がありました!

スマホカメラに立場を奪われ出番がすっかり減ったデジタルカメラ(以下、デジカメ)。
たまに充電しようとするとするとき思います。なぜデジカメの充電方法はスマホと同じ
ではないのでしょう。不便で、このままではますます使う気が失せてしまいそうです。

 ご参考)
  一部のデジカメには、スマホ用の汎用充電ケーブル(Micro USB Micro-B)や
  汎用USB充電器を使用できる機種もあり、それら用品はコンビニ等で購入でき
  ます。デジカメ用純正付属品との相違は同梱の「取扱説明書」でご確認ください。

いえ、諦めるのはまだ早いのです。私たちには“Qi(チー)”があるではありませんか。
市販の“Qi(チー)”規格準拠のワイヤレス充電器にはすでに各種スマホが対応して
いて、置くだけで充電できてしまう時代。デジカメも探せば対応機種があるはずです。

と思って探したら、もう5年以上も前に発売されていましたね。今でも中古で、2万円
前後で手に入るようです。その名は、「PENTAX WG-3 GPS」。防水デジカメです。

▽水深14mで水中撮影できる防水デジタルカメラ「PENTAX WG-3 GPS」。
 ワイヤレス充電“Qi(チー)”規格に対応して2013年3月に発売されました。
 カメラ本体正面に、“Qi(チー)”のロゴマークが映えます。
180730_wg3gps_green.jpg
 (c)RICOH IMAGING

▽上記の「PENTAX WG-3 GPS」は、
 スマホ用に市販されている“Qi(チー)”規格準拠のワイヤレス充電器
 にカメラのレンズ側を下にして置くだけで充電できます(5年前の写真)。
180730_PENTAX WG-3 GPS_img04.jpg
 (c)RICOH IMAGING

市販の“Qi(チー)”規格準拠のワイヤレス充電器で充電をするとき、多くの製品では
スマホはフロント側を上にし仰向け状態で置きますが、「PENTAX WG-3 GPS」は
上の写真のようにレンズ側を下にしうつ伏せ状態で置きます。結局同じですか(^^ゞ

 「しば漬け(食べたい)」?

 関連リンク)
  RICOH IMAGING | 2013年1月30日付ニュースリリース
  水深14mで水中撮影が可能なコンパクトデジタルカメラ
  「PENTAX WG-3」「PENTAX WG-3 GPS」新発売
  http://www.ricoh-imaging.co.jp/japan/news/2013/20130130_1.html

 関連リンク)
  コンパクトデジタルカメラ PENTAXブランド生産終了製品 | 製品 |
  特長|WG-3GPS / WG-3 | RICOH IMAGING

「PENTAX WG-3 GPS」のペンタックスリコーイメージング(現、リコーイメージング)
さんは、前身のペンタックス(旧、旭光学工業)、リコー(旧、理研光学)ともカメラ界で
老舗の光学メーカーでしたが新しい技術やアイディアの創出には創業時から積極的
な社風が同業者の間では評価されています。ただ、新し過ぎて理解されにくいことも。

フィルムカメラの時代からヒット商品は多いのですが、せっかくの新しい試みが十分
理解されないまま生産終了になってしまった残念なカメラも、少なからずありました。
ワイヤレス充電器対応の「PENTAX WG-3 GPS」も、その中の1つだったようです。
いつか、カメラ産業史の中で再評価されることを願い、ご紹介させていただきました。

なお、リコーイメージングさんの本「WG」シリーズは、その後も改良を重ね好評発売
中です。現行機種の「RICOH WG-50」でもワイヤレス充電器には非対応ですが、
スマホの対応機種は年々増えているので今後の新製品での復活に期待したいです。
2013年当時はスマホ自体まだ目新しかったので、「PENTAX WG-3 GPS」はなお
さら新し過ぎたのでしょうね。

▽防水デジカメ「WG」シリーズ現行機種、「RICOH WG-50」(2017年6月発売)。
 残念ながらワイヤレス充電対応は「PENTAX WG-3 GPS」1機種だけに止まり、
 ブランドはその後「RICOH」へ変更され、「PENTAX」はレンズ交換式カメラ専用
 のブランドになりました。
180730_WG-50_bod_top_01.jpg
 (c)RICOH IMAGING

 関連リンク)
  RICOH IMAGING | 2017年5月25日付ニュースリリース
  アウトドア撮影を手軽に楽しめるコンパクトデジタルカメラ
  「RICOH WG-50」新発売
  http://news.ricoh-imaging.co.jp/rim_info/2017/20170525_018207.html

 関連リンク)
  WG-50 / デジタルカメラ / 製品 | RICOH IMAGING
  http://www.ricoh-imaging.co.jp/japan/products/wg-50/

余談ですが、
次のデジカメもまた、新し過ぎた、と言いますか、未来過ぎた製品でした。

▽(左)「FUJIX DS-1P」(1988年発表)昭和 63年生れ (( ;゚Д゚))!?
 (右)「FUJIX DS-X」(1989年発売)←平成元年!
fujifilm_ds-1p_02.jpg
 (c)富士フイルム

詳細は次の関連記事をご参照ください。

 関連記事)
  当ブログ『安瑠芭夢家 しゃしんのポップ』 2018年3月2日付記事
  富士フイルム2018年大商談会改め、フォトイメージングフェア〔番外編〕
  “世界初” 衝撃の昭和のデジタルカメラからスマホ時代までの長い道のり

時代の最先端を行こうとする者は常に、少数派になるよう宿命づけられるのでしょう。

  デジタルカメラの深刻な悩みを解決する
  総務省の「長距離無線充電」制度化に期待!

さて表題の通り先月、総務省による「長距離無線充電」制度化への取り組みが報じら
れました。先述の“Qi(チー)”規格準拠のワイヤレス充電器の場合スマホやデジカメ
等をその上に置くなどして充電しますが、2020年頃には、電波により数メートル離れ
た場所からでも充電できる装置が実用化される見通しとのことです(リンク先を参照)。

 関連リンク)
  『新電力ネット』 2018年7月10日付記事
  進められる「ワイヤレス電力伝送」の実用化、国際標準化を目指す日本の現状
  https://pps-net.org/column/60695

 関連リンク)
  『SankeiBiz(サンケイビズ)』 2018年7月5日付記事
  「長距離無線充電」制度化へ 総務省、20年度実用化後押し
  https://www.sankeibiz.jp/macro/news/180705/mca1807050500001-n1.htm

そのような充電装置が新しい制度により標準化されれば、もう各種スマホとデジカメ
との充電ケーブルや充電器の違いに悩まされることもなくなりそうです。2040年頃
までに数キロ離れたアンテナからも電力供給が受けられるようになるという前提で、
総務省では制度化を進めるそうです。最終的にはワイヤレスからバッテリーレスに
時代は進み、家庭からは電源コンセントが消え、電気自動車も充電はせずに電波
給電で走るようになるとのことです。ガソリンスタンドもやがて無くなるのでしょうか?

お車のガス欠はお出かけの脅威、デジカメやスマホのバッテリー切れは撮影の脅威
です。「長距離無線充電」のインフラ整備が、デジカメの復権とスマホ利用の一層の
促進に繋がることを、当店「安瑠芭夢家 しゃしんのポップ」も願わずにいられません。

 「こころの写真・・・も満タンに♪」

▽画像は本文とはあまり関係ありません。
180802_IMG_2861.jpg180802_IMG_2862.jpg
 (c)富士フイルム 1979年       (c)コスモ石油 2017年
posted by 安瑠芭夢驛(アルバムステーション) 吉 川 写 真 店 at 11:41| 業界の話題