2023年07月31日

【「フィルムカメラ」で検索】新日本海新聞社さん発行の歴史ある地方紙 『大阪日日新聞』 が本日2023年7月31日付朝刊をもって休刊になりました

  【「フィルムカメラ」で検索】
  新日本海新聞社さん発行の歴史ある地方紙 『大阪日日新聞』 が
  本日2023年7月31日付朝刊をもって休刊になりました

本日2023年7月31日、
ふと思い立って検索ワード「フィルムカメラ」でネット検索をしたところ偶然、
次の同日付更新(配信日は2023年6月13日付)のニュースがヒットしました。
『大阪日日新聞』 さんの「休刊のお知らせ」で、同紙は2023年7月31日付をもって
「社会情勢の変化に伴うかつてない厳しい経営環境に直面し、休刊という決断に至り
ました」とのこと。「厳しい経営環境に直面」されているのはおそらく 『大阪日日新聞』
さんだけではないと思います。「フィルムカメラ」に関する次の同紙記者さんのお話し
をご紹介させていただきます。取材に対する真摯な姿勢やお考えに頭が下がります。

▽『大阪日日新聞』 (公式)
 2023年06月13日付配信(2023年7月31日付更新)「大阪ニュース」
 スクリーンショットは2023年7月31日 19:59 現在のものです。
 「大阪日日新聞」休刊のお知らせ
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 (c)新日本海新聞社

 関連ニュース)
  『大阪日日新聞』 (公式)
  2023年06月13日付配信(2023年7月31日付更新)「大阪ニュース」
  「大阪日日新聞」休刊のお知らせ
  https://www.nnn.co.jp/articles/-/65228
「大阪日日新聞」休刊のお知らせ

2023年06月13日
(2023年7月31日付更新)

 平素より、大阪日日新聞をご愛読賜り、厚く御礼申し上げます。
 既にお知らせしました通り、皆さまにご愛読いただきました「大阪日日新聞」は本日7月31日付をもちまして休刊いたします。
 1911年に前身の「帝国新聞」として創刊されて以来、言論の灯を絶やすまいと紙面制作を続けて参りましたが、社会情勢の変化に伴うかつてない厳しい経営環境に直面し、休刊という決断に至りました。これまで長年にわたり本紙をご購読いただいた読者の皆さまに厚くお礼を申し上げます。また、取材にご協力いただいた皆さま、新聞制作・配達にご尽力いただいた関係者の皆さま方にもお礼を申し上げます。
 なお姉妹紙、週刊大阪日日新聞は引き続き発行いたします。ご愛顧のほどよろしくお願い申し上げます。

株式会社新日本海新聞社

出典)上記、『大阪日日新聞』 (公式)
    2023年06月13日付配信(7月31日付更新)「大阪ニュース」より

▽『大阪日日新聞』 (公式)
 2023年7月31日 10:25 付配信「大阪ニュース」
 スクリーンショットは2023年7月31日 0:40 現在のものです。
 日日是好日、また会う日まで
 読者の皆さま、ありがとうございました
230731_osaka-nnn_102.JPG
〔中略〕
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 (c)新日本海新聞社

 関連ニュース)
  『大阪日日新聞』 (公式)
  2023年7月31日 10:25 付配信「大阪ニュース」
  日日是好日、また会う日まで
  読者の皆さま、ありがとうございました
  https://www.nnn.co.jp/articles/-/106057
日日是好日、また会う日まで
読者の皆さま、ありがとうございました

2023年7月31日 10:25

日日、町を歩く。
日日、人に尋ねる。
日日、記事を書く。
同じことの繰り返しのような毎日に、
さまざまな「好きやねん!」、
たくさんの「何でやねん!」を見つけた。
日日、心が躍った。
日日是好日。
今までも、これからも−。



よりよい社会を考える
藤木俊治記者

 「記者が記事を考えることは、よりよい社会を考えることにつながっている」。駆け出しの頃、取材対象者として面会したことがきっかけで交流が始まった、元大手紙記者の大先輩からもらった言葉だ。
 入社後、訳も分からないままペンとノート、首からカメラをぶら下げて現場に出向いた。初めて掲載された記事は、福沢諭吉が生まれた大阪・福島の中津藩蔵屋敷に関する話題。署名が紙面に載る重みを初めて感じた20年ほど前のことを今も覚えている。
 以降、行政、司法、企業、スポーツ全般、「アスファルトから『ど根性ネギ』が生えてきた」などといった“どローカル”な話題まで、担当したすべてが財産になった。
 街頭では、厳しい評価をいただく一方、「昔、紙面で取り上げられた」と喜んでもらえることも多かった。「大手が取り上げない話題」を深掘りすることを肝に銘じてきたが、どれだけ読者の皆さんのお役に立てただろうか。
 ネット全盛の今、紙媒体の温かみが失われるのは発行元としても一抹の寂しさがある。紙面はなくなっても、「よりよい社会を考える」という視点は決して失わずにいたい。

〔中略〕

カメラの変遷、懐かしきシャッターの緊張感
佐々木誠記者

 自分が撮影した写真が初めて紙面に載った時の感激は今でも鮮明によみがえる。記念すべき“初の被写体”が、ある催しに招かれた歌手・八代亜紀さんだったことも印象的だった。当時はフィルムカメラ全盛で使用機種は「ニコンFA」。装着していたレンズやストロボまで細かく覚えているのが面白い。
 社内の暗室でフィルム現像や焼き付けといった作業も当たり前の時代。「1画素=1万円」といわれた高価な業務用デジカメの黎明(れいめい)期となり、メーカーから白黒専用のデモ機を触らせてもらったが、まだ記録画像をすぐに確認できるような段階ではなかったこともあり、今日のようなデジタル全盛時代が到来するとは夢にも思わなかった。
 後年、ようやくコンシューマ向け機種が市場に出回る時代となり、初めて写真特集面の全カットをデジカメで撮り終えた際は何とも手応えのない、極めて無機質な感覚であったことも忘れがたい。
 今やスマホで写真や動画が高画質で撮れる万能の時代にあって、一部では温かみのあるフィルムの写真が話題に上ることも。現状でフィルムカメラで取材する機会はないが、1本で最大36枚という撮影枚数も含め、かつての緊張感はいつまでも胸に刻んでおきたい。

出典)上記、『大阪日日新聞』 (公式)
    2023年7月31日 10:25 付配信「大阪ニュース」より抜粋

コンビニや駅ナカ店舗等の新聞、雑誌売場も近年すっかり縮小されてしまいました。
最新のニュースや情報も通信端末である手元のカメラ付スマホで送受信する昨今。
電車の車内等でも新聞、雑誌、本などを読む人よりスマホを見る人の方が多いです。
新聞、雑誌、テレビ、ラジオの公式動画チャンネルが登録数やアクセス数を競い合う
中、広告媒体としての各メディアの在り方も受け手と送り手との関係も変わりました。
一地方の小さな出来事もネットを通じ全世界へ配信されくり返しアクセスされ続ける
今の時代、プロとアマチュアとの境界線も曖昧になり可能性もリスクも高まりました。
それを社会全体が望んだ結果だと信じるしかないです。後もどりはできませんから。

*次の記事は、
 当ブログの2023年4月29日付記事の一部を再編集し、再掲載したものです。


  【昭和の日と富士フイルムさんとニコンさん】
  昭和のフィルム一眼レフ「Nikon F3」の操作をリアルに再現した
  アニメ作品が2023年5月5日(金)15時まで期間限定配信中!
  『交響詩篇エウレカセブン』 2005年放送 第01話「ブルーマンデー」
  【EMOTION 40th Anniversary Program】

次の動画をご視聴ください(公開終了しました)。
<2023年5月5日(金)15時までの期間限定配信>
   ↓
▽『EMOTION Label Channel』 「YouTube」公式チャンネル
 2023年4月28日付公開のスクリーンショット(公開終了しました)。
 『交響詩篇エウレカセブン』 2005年4月17日放送 第01話「ブルーマンデー」
 <2023年5月5日(金)15時までの期間限定配信> ☆大変ラッキー(@∀@;
 【EMOTION 40th Anniversary Program】
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△主役のレントンくん「思い出は そっと甦る」「通い慣れた道 歩み進んでも戻れない」。
▽オープニングテーマ曲 『DAYS』。「激しく儚い 記憶のカケラ」まさに写真そのもの。
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▽『交響詩篇エウレカセブン』 は2005年4月17日放送開始のSFTVアニメ作品です。
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 (c)Project EUREKA / ボンズ / 毎日放送 / バンダイナムコフィルムワークス

本編冒頭のスクリーンショットです。
   ↓
▽『EMOTION Label Channel』 「YouTube」公式チャンネル
 2023年4月28日付公開のスクリーンショット(公開終了しました)。
 『交響詩篇エウレカセブン』 2005年4月17日放送 第01話「ブルーマンデー」
 <2023年5月5日(金)15時までの期間限定配信> ☆大変ラッキー(@∀@;
 【EMOTION 40th Anniversary Program】
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△緑のパトローネ(35mm幅写真フィルムのカートリッジ)。富士フイルム製品です!
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△フィルム先端を少し巻き上げ裏ぶたを閉め、さらにシャッターを切っては巻き上げ
▽レバー操作をくり返し、フィルムカウンターの1コマ目まで進めれば撮影準備完了。
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▽「さあ、決定的瞬間をモノにしてやるぞ!」 という心の声が聞こえてきそうなシーン
 ですが実際は、「だからな、音楽とか映画とかって、その中身がっていうよりもその
 ときの記憶っていうかさ、そのときの人と人との関係を想い出すことが多いだろう」
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▽「そう、つまり記憶というものは決してそれ単体で存在せず、それを取り巻く環境に
 支配されているというわけだ。誰の言葉か知ってるか?」知らないと「学が無ぇな」。
 このようにフィルムカメラを取り扱うときは自らの哲学を言葉に表すことが大切で?
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▽黒地に白抜きの「Nikon」のブランドロゴを黒の粘着テープで覆う手の込んだ演出。
 乗り物や建物の窓などへの映り込みを防止したり、カメラが目立ちにくくなるなどの
 効果が期待できるので、実践しているプロカメラマン、フォトグラファーは多いです。
 機種によって、空撮時など不慮の交換式ファインダー脱落事故の予防も兼ねます。
 NHKさんの番組で映る際も製品のブランド名を粘着テープで隠す場合があります。
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▽ファインダースクリーン(フォーカシングスクリーン、ピントグラス)は、マニュアル機
 標準仕様の2種類の距離計(マイクロプリズムとスプリットイメージ)を備えたもの。
 マイクロプリズムは望遠〜標準、スプリントイメージは標準〜広角レンズ向きです。
 スプリットイメージでも望遠レンズのピント合わせはできますが精度は不足します。
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▽私は母校(「日藝」こと、日本大学藝術学部写真学科)の恩師である故、H教授から
 「航空撮影の際は機長やパイロットの方の指示に従うこと」と言い聞かされましたが
 操縦中のマシューさん(手前)の苦言はカメラマンのストナーさん(奥)に届きません。
 そんな愛すべき物語りの始まり方が胸に刺さります。制作者の方々に心から感謝。
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 (c)Project EUREKA / ボンズ / 毎日放送 / バンダイナムコフィルムワークス

 関連動画リンク)
  『EMOTION Label Channel』 「YouTube」公式チャンネル
  2023年4月28日付公開(公開終了しました
  『交響詩篇エウレカセブン』 2005年4月17日放送 第01話「ブルーマンデー」
  <2023年5月5日(金)15時までの期間限定配信>☆大変ラッキー(@∀@;
  【EMOTION 40th Anniversary Program】
   バンダイナムコフィルムワークスの映像レーベル「EMOTION」は、
   2023年で創立40周年!
   ファンの皆様への感謝を込めて、40周年記念企画
   「EMOTION 40th Anniversary Program」を実施中です!
   ここ「EMOTION Label Channel」では、「EMOTION」の代表的な作品を
   毎週1作品1話ずつ期間限定配信いたします。
   この機会にぜひお楽しみください!
  (↓公開終了しました

写真機を一たび手にした者はやがて哲学者として
ジャーナリストとアーティストとクリエイターとエンターテイナー等との境界線を
彷徨い続ける宿命が背負わされることになって行く。そんな時代が良かった?

SFTVアニメ作品 『交響詩篇エウレカセブン』 の放送が始まった2005年4月17日の
時点でデジタルカメラはメモリーカードの撮影データ消失等への対策が不十分でした。
ニコンさんからその解決策としてメモリーカードスロットを二重にしたデジタル一眼レフ、
「Nikon D3」が発売されたのは2007年11月30日。二重スロット採用が各社さんの
プロ向けデジタルカメラの標準仕様になるのはその頃からでメモリーカードの大容量
化やイメージセンサーの改良がデジタルカメラの長時間高画質動画撮影をも容易に
し、カメラは写真機ではなく、カメラマンはフォトグラファーではなくなって行くのでした。

 『交響詩篇エウレカセブン』 の冒頭の登場人物、カメラマン(フォトジャーナリスト)の
ストナーさん愛用の「Nikon F3」は1980年3月発売。上述の「Nikon F2」の後継機
です。丈夫で電池が切れても撮影でき報道関係者の信頼は高く2000年まで出荷され
ました。使い込まれた「Nikon F3」はストナーさんのキャリアの長さも感じさせる演出
です。同世代のロングセラーライバル製品に私も愛用した「PENTAX LX」があります。
40年ほど前に新品同様を6万円で購入し10年ほど前に中古店で6万円で売れました。
発売当時は不人気でも年月を経て正当に評価され愛用者が増える製品もあるのです。

当店「安瑠芭夢驛 吉 川 写 真 店」にも他店さんにお借りした機材でしたが証明写真
撮影に使い込まれた「Nikon F3」を用いた時期がありました。ネガフィルムを希望さ
れるお客さまに応じるためです。当時は地域によってはネガフィルムからの焼増しに
しか対応できない写真店さんも少なくなかったためです(今はネット申請が当たり前)。

今やスマホのカメラも4000万画素クラスが普通になりつつありますがニコンさんの
デジタル一眼レフが2000万画素を超えるのは2008年12月19日発売のプロ向け
デジタル一眼レフ「Nikon D3X」が最初です。それまで航空撮影は鮮明な大伸ばし
プリントができる60mm幅写真フィルムを用いるカメラが主流で、富士フイルムさん
の「FUJI 6×9 professional」シリーズも大活躍しました。近隣の各学校さんから
キャンパスの空撮の依頼を受けたカメラマンさんと、私も川島町のホンダエアポート
から撮影助手としてセスナ機に同乗させていただいたことがあります。初めてでした
が揺れる機内でもスムーズにフィルム交換ができました(自らの哲学? を語る余裕
はさすがにありませんでしたが)。越生町や毛呂山町を空から見るのも初めてでした
が、私は次の撮影地の目標の建物をすぐに機長さんへお伝えすることができました。
『交響詩篇エウレカセブン』 の登場人物のひとり、少尉のドミニク・ソレルさんは本物
の方向音痴で地図も読めないという設定ですが私は方位や地理には自信ありです。
もっとも、今は建物やグラウンドの人文字などの空撮はドローン撮影が主流ですが。

映像ジャーナリストの長井健司さんのビデオカメラがミャンマーの独立系メディアに
よって回収され2023年4月26日に貴重な映像記録とともに無事ご遺族に返還され
ました。長井さんが2007年9月にミャンマーの軍事政権による反政府デモの弾圧の
現場を取材中、治安部隊に射殺されてから16年が経ちます。ミャンマーでは今なお
軍事政権の治安部隊にスマホ撮影中の市民が狙い撃ちされることがありウクライナ
でも避難所のコンセントにスマホ充電のため集まっていた市民が軍事侵攻してきた
ロシア兵から銃撃されたという卑劣な行為が報じられています。昭和は、私たち日本
国民が、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、
武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれ
を放棄する、とした時代ですが今スマホというネット通信端末に高性能カメラが内蔵
されたばかりに、世界各地でカメラを手にしたジャーナリストのみならず市民全員が
武力行使の対象にされる出来事が相次いでおり許せません。厳罰に処すべきです。
(注:「憲法記念日」は5月3日です。)


*以上の記事は、
 当ブログの2023年4月29日付記事の一部を再編集し、再掲載しました。

 関連記事)
  当ブログ『想い出を未来へ運ぶ始発駅*安瑠芭夢驛 吉 川 写 真 店』
  2023年4月29日付記事
  【昭和の日と富士フイルムさんとニコンさん】
  昭和のフィルム一眼レフ「Nikon F3」の操作をリアルに再現した
  アニメ作品が2023年5月5日(金)15時まで期間限定配信中!
  『交響詩篇エウレカセブン』 2005年放送 第01話「ブルーマンデー」
  【EMOTION 40th Anniversary Program】
  http://poppop.sblo.jp/article/190317589.html

*次の記事は、
 当ブログ2022年5月11日付記事の一部を再編集し、再掲載したものです。


  プレスカメラとスパイカメラ
  (映画『ローマの休日』より)

1953年にアメリカで制作され、
今なお不朽の名作として世界中で愛されている映画 『ローマの休日』 が先日、
2022年5月13日に日本テレビさんの 『金曜ロードショー』 で放送されました。
今回新たに、オードリー・ヘプバーンさん演じるアン王女の声を早見沙織さんが、
 グレゴリー・ペックさん演じる新聞記者ジョー・ブラッドレーの声を浪川大輔さんが
吹き替えで好演されました。きっとご覧になられたお客さまも多いことと思います。

▽『日本テレビ』 金曜ロードシネマクラブ (公式)
 『ローマの休日』 2022年5月13日 21:00〜22:54 放送のスクリーンショット。
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 (c)日本テレビ / パラマウント映画

 関連リンク)
  『日本テレビ』 金曜ロードシネマクラブ (公式)
  『ローマの休日』 2022年5月13日 21:00〜22:54 放送
  https://kinro.ntv.co.jp/lineup/20220513

映画 『ローマの休日』 の小道具には往時の特徴あるカメラ(写真機)も登場し、
ストーリーを大いに盛り上げました。それが、次のプレスカメラとスパイカメラです。

▽プレスカメラ(映画 『ローマの休日』 の場面写真)
220513_Roman-Holiday_press-camera.JPG
 (c)パラマウント映画

プレスカメラ「グラフィック(機種名不詳?)」。米国グラフレックスさんの製品。
プレスカメラのプレスとはネットでよく配信されるプレスリリースのプレスです。
まだよく分からない???(@_@;ゞ
プレスとは印刷機のことで、転じて出版業、特に印刷部数の多い新聞社、雑誌社を
指すようになり、やがて報道機関全般の代名詞になりました(メディアと同義です)。
新聞印刷の現場は速報性が最優先され、写真フィルムの現像が済むと原寸で製販
されることが1960年頃までは普通でした。そのため4×5インチ判のシートフィルム
が標準的で、そのような大判フィルムを用いながらも機動性が損なわれない設計が
プレスカメラには求められましたが無理難題。シートフィルムは感光しないよう袖の
付いた黒い布袋の中へ腕を入れ手探りでフィルムホルダーの両面に装填し、カメラ
にセットしたら撮影直前に遮光板を忘れずに引き抜かなければならず、よって連続
撮影は困難を極めます。かつ当時のフラッシュは発光するたび取り替える使い捨て。
往時の決定的瞬間を逃すまいとする報道写真家のプレッシャーは計り知れません。
ポラロイドインスタントカメラ用のフィルムで撮影するための付属品も発売されました
が、現像不要の速報性が期待されたもののプレスカメラの復権に至りませんでした。
でもプレスカメラの全盛期こそ後世まで名作とされる報道写真が多く発表されました。

上記の米国グラフレックスさんのプレスカメラ「グラフィック」の後継機は1976年から
1987年まで「トヨ・スーパーグラフィック」と改称し日本の酒井特殊カメラ製作所さん
(現サカイマシンツールさん)で製造が継承されました。酒井特殊カメラ製作所さんの
4×5インチ判スタジオ用カメラは、私も母校での撮影実習で大変お世話になりました。
手探りでも非常に操作しやすく今もマイナーチェンジした機種が販売継続中(こちら)。

▽スパイカメラ(映画 『ローマの休日』 の場面写真)
220513_Roman-Holiday_spy-camera.JPG
 (c)パラマウント映画

スパイカメラ「エコー 8」。
本物のライターに超小型写真機を組み込んだ製品で、1951年発売の日本製です。
8mm幅のフィルムを用いる特殊な構造のため商業的に成功は望めず直に製造終了。
ところが映画『ローマの休日』に登場したことで製造元の鈴木光学さんに注文が殺到。
機能を簡素化し、部品点数を減らすことで納期短縮。目出度く製造再開となりました!
スパイカメラとは通称で本物のスパイはこのような怪しげなカメラは持ち歩きませんw
発案者の遊び心を理解する粋な大人がスパイの気分を愉しむもので悪用厳禁です!

プレスカメラのシートフィルムは、
リバーサルカラーフィルム(プロジェクター投影用)が私たちの富士フイルムさんから
今も発売中ですが、スパイカメラ「エコー 8」用のフィルムは普通のフィルムを自分で
加工し現像する必要がありそうです。どちらのカメラもすでに実用品としての役割りは
終わってしまったようですね。でも映画『ローマの休日』の中では永遠に輝いています。

世界保健機関(WHO)は、世界で毎年約300万人が喫煙を原因として死亡している
と主張していることから世界的に喫煙規制が広まり、喫煙率は年々低下しているそう
です(禁煙 - Wikipedia)。そのためスパイカメラの擬装もライターから、誰もが手に
するスマホに変身しました。今や小さなお子さまからお年寄り、プレス関係者までもが
スパイカメラの愛用者です(本当?)。


*以上の記事は、
 当ブログ
2022年5月11日付記事の一部を再編集し、再掲載しました。

 関連記事)
  当ブログ『想い出を未来へ運ぶ始発駅*安瑠芭夢驛 吉 川 写 真 店』
  2022年5月11日付記事
  【速報 / 2022年5月11日16時発表】
  ソニーさんの望遠光学ズームレンズ搭載ハイエンドスマホ
  「Xperia 1 IV(エクスペリア ワン マークフォー)」新登場!
  【2022年6月上旬以降発売予定】
  &プレスカメラとスパイカメラ(映画『ローマの休日』より)
  &Appleさんから今年の2022年秋に発売が期待される
  「iPhone 14 Pro(仮)」はどうなる!?
  http://poppop.sblo.jp/article/189527751.html

 ご参考記事)
  当ブログ『想い出を未来へ運ぶ始発駅*安瑠芭夢驛 吉 川 写 真 店』
  2023年7月4日付記事
  【リコーイメージングさんの社長さんもサプライズ?】
  土休日限定で現在開発中のフィルムカメラの試作機を展示
  「PENTAXフィルムプロジェクトwith岩倉しおり『It’s time for film!』」
  東京都新宿区の北村写真機店の6階イベントスペースにて
  【2023年7月1日(土)から31日(月)まで開催中】

 ご参考記事)
  当ブログ『想い出を未来へ運ぶ始発駅*安瑠芭夢驛 吉 川 写 真 店』
  2022年1月8日付記事
  「みんながうれしいのが一番なんだで」
  &NHK大河ドラマ 『青天を衝け』 の登場人物人気投票で
  渋沢平九郎さんが3位以内に(『ねとらぼ調査隊』実施)
  演じていただいた岡田健史さんの表現力に高い評価!
  http://poppop.sblo.jp/article/189257665.html

 ご参考記事)
  当ブログ『想い出を未来へ運ぶ始発駅*安瑠芭夢驛 吉 川 写 真 店』
  2021年3月14日付記事
  富士フイルムさんのレンズ付きフィルム
  「フジカラー写ルンです」で写された想い出の想い出

 関連記事)
  当ブログ『想い出を未来へ運ぶ始発駅*安瑠芭夢驛 吉 川 写 真 店』
  2020年10月13日付記事
  【超仕事人 プロの流儀】
  スタジオジブリさんが2020年9月18日付の最新情報で
  ジブリ作品の場面写真画像の無償提供開始を発表
  自分の才能を信じ好きで続けてきたことを
  生き甲斐から償いへ変えさせるのは重い罰です。
  「夢」を叶える為の闘い? それとも「夢」そのものとの闘い?
  新潮社さんが2020年9〜10月『週刊新潮』に某著名人のゴシップ記事を掲載
  http://poppop.sblo.jp/article/188020074.html

 ご参考記事)
  当ブログ『想い出を未来へ運ぶ始発駅*安瑠芭夢驛 吉 川 写 真 店』
  2018年3月2日付記事
  富士フイルム2018年大商談会改め、フォトイメージングフェア〔番外編〕
  “世界初” 衝撃の昭和のデジタルカメラからスマホ時代までの長い道のり
posted by 安瑠芭夢驛(アルバムステーション) 吉 川 写 真 店 at 20:55| 業界の話題