2012年01月26日

「しゃしんのポップ」が入間郡北西部でただ1軒のデジカメプリント専門店に

とても寂しくなるようなニュースが届きました。
お隣の毛呂山町に3軒あったうち、唯一続いていたデジカメプリントの
専門店さんが、今日、1月26日限りで閉店されるというのです。
これで入間郡北西部にある専門店は、越生町の当店、
「しゃしんのポップ」ただ1軒になってしまいました。
両町と接する比企郡鳩山町に1軒だけあったお店さんも、撤退されて
もうだいぶ経ちます。

実は、全国のデジカメプリント専門店のほとんどがそうなのですが、
カラー写真フィルムの現像プリントの専門店を前身にしています。
そのため、当時からのお客さまのために、今でもフィルム現像機や
業務用のフィルムスキャナーをカウンター内に設置しているお店が
大多数なのです。それらは結構、店内スペースを取ってしまいます。
当店も、プリント受注枚数のうち約15%はまだフィルムをお使いの
お客さまからのご注文ですので、従来の設備も温存して対応させて
いただいています。

デジカメが普及する以前の写真プリント専門店、いわゆる写真屋さん
というのはイコール“フィルム屋さん”で、事実上フィルムメーカー
の代理店でした。現像に必要な設備や資材も主にフィルムメーカーが
販売し、お店の営業、宣伝、販促も強力にサポートしていました。
フィルムは現像しなければ写真になりませんので、かつての専門店は
フィルムを売って現像プリントするだけでも経営は成り立ったのです。
アルバムや額縁などの写真用品も店頭に用意できれば理想でしたが、
スペースや資金の関係であまり在庫が置けないお店も多くありました。
それら用品の取り扱いはむしろ、画材や文房具、事務用品などのお店
や問屋さんの方が得意だったかもしれません。

デジカメが登場するまで、写真をフィルムで撮ったらまず見るために
現像プリントが必要でした。そして、プリントの仕上がりを見てから
撮られた写真が要るか要らないかを判断するほかありませんでした。
現像を頼んだお店に欲しいアルバムや額縁がないこともありました。
お店はそれでも潤っていたのかもしれませんが、お客さまとお店との
関係は、果たして本当に幸せなものだったと言えるのでしょうか?
要らない分までフィルムを現像プリントすること。写真用品をお客さまが
お探しになったりお店が取り寄せたりするのに労力や時間を費やすこと。
そういうことは、生産活動や経済活動と呼べるものだったのでしょうか?
こうした疑問に、社会とは冷静にジャッジを下すものなのでしょう。
フィルムメーカーとして世界最大手の一社だったアメリカのコダックの
経営破綻が先ごろ報じられました。このブログ記事とは直接関係はない
かもしれませんが、一つの時代の区切りを示す出来事だったと思います。

このたび閉店される毛呂山町のお店さんも、すでに撤退された鳩山町の
お店さんも、いずれも大手チェーンがショッピングセンターのブースに
テナントとして出店されたお店さんでした。両者とも店内をカウンター
で仕切り、その内側の作業スペースを広く取って店頭にはあまり商品の
在庫を置かないという方針はデジカメ登場以前のままのスタイルでした。
これではデジカメプリントの店頭受付機の増設にも制約が生じてしまい
ますが、店内改装にもフィルム現像の廃止にも当然リスクは伴います。
企業の経営判断としては安全な策を選んだ、ということなのでしょうか。
しかし、これまで各店を利用されてきたお客さまの、地域社会の利便性
はどうなるのでしょう?
デジカメのお客さまはあまりプリントを必要とされない、とよく言われ
るようですが、私が知る限り決してそのようなことはないと確信します。

ところで、反対に広大な敷地に大きな店舗を構えるお店さんもあります。
プリントコーナーの受付機の台数も写真用品コーナーの在庫も豊富です。
ところが、広すぎてそれぞれのコーナーをお客さまが行ったり来たり。
まして階が別々というのは論外ではないでしょうか? 小さなお子さま
連れのお客さまやお体の不自由なお客さまには、とりわけ利用しずらい
のではないかと思います。

当店をかえりみても、デジカメプリント専門店としての取り組みはまだ
始まったばかりで、お客さまのご要望に十分お応えするために改善する
べきところはたくさんあると感じています。
お客さまは必要があるからこそデジカメプリントのご注文に来てくださる
のですから、アルバムや額縁、スタンドなどお写真を楽しむための用品の
ご相談にも、プリント受付機のすぐそばで応じられるようにしていきたい
と考えています。
素敵な思い出は、自分一人で仕舞い込んではもったいないですものね!

恥ずかしながら、何分にも零細個人商店なので理想の実現まで時間は
かかるかと思いますが、今後とも「しゃしんのポップ」をご利用くださいます
よう、何とぞよろしくお願い申し上げます。

posted by 安瑠芭夢驛(アルバムステーション) 吉 川 写 真 店 at 05:13| フォトライフ